ありがとう、さようなら

瀬尾まいこさんが、デビュー直後から3年半にわたって綴ったエッセイ集。『ダ・ヴィンチ』に連載されていた内容に、一部書き下ろしが加えられている。

ある時、教頭先生に「おみゃあが出してる学級通信と区別がつかんわや」といわれましたが、その通り。内容こそ違いますが、学級通信を発行するように、伝えたいことを大事な人に書いているような、そんな気持ちだった気がします。(「はじめに」より)

瀬尾さんは、中学校の先生。上記に引用した「はじめに」に書いている通り、学校での日常の中で起こった、「伝えたいこと」が心にすとんと伝わってくるエッセイ。字が大きく、読みやすかったこともあり、電車の移動時間で読了。これらの日常が、瀬尾さんの小説に与える影響の大きさも感じた。
瀬尾さんが鯖嫌いということもこのエッセイで分かった。『幸福な食卓』で、主人公の子(名前忘れた)は鯖嫌いで、大浦くん(彼氏)も鯖が嫌いなのに、給食に出るたびに彼女の鯖を食べてあげている場面がある。『幸福な食卓』では気づかなかったけれども、これも瀬尾さんの日常(「給食の鯖」というエッセイでは、瀬尾さんががんばって鯖を食べようとする気持ちになるきっかけが書かれている)が影響しているのだろうなぁ。