トニー滝谷

レキシントンの幽霊

レキシントンの幽霊

昨年度いっぱいで退官された指導教官は大変な映画好き。その先生が「『トニー滝谷』は原作が村上春樹なんですねぇ」と仰ってたのをふと思い出し、図書館で借りてみた。『レキシントンの幽霊』は短編集。「トニー滝谷」が目的だったので、所収されている他作品では「氷男」しか読まずに返却してしまった。
トニー滝谷」は滝谷トニーさんの話。トランペッターの父の話から始まる。二人に共通しているのは、お金に困ってはないけれども、でも「孤独」という点。本人達は感じていないのだが(いや、トニー滝谷は最後に気づいているとは思うのだが)、その「孤独」を思って読んでいたら、途中から涙が出てしまった。外で読まなくて良かった。