いつか僕もアリの巣に

「びっぐいしゅー」に、この著者はアリ50匹くらいなら全員の顔を見分けることができる、というような一節が載っていたので、それはすごい!と興味を持ち、この本を図書館で借りてみました。だって、あんな、黒いちっちゃな虫の個体をどうやって識別するというのでしょう。気になりますよね。
早速、その箇所を見つけて読んでみたのですが、別にアリの顔を全部覚えて識別をしているのではありませんでした。実際は、色でマーキングをして、アリに名札をつけるようにして識別をしていたのです。なーんだ、と思ってしまいますが、でも、あの小さな体の一部に色を施すのは、なかなかのテクニックがいるのでしょうね。学者ってすごいと思いました。
気になる部分を読んだあとは、ちゃんと最初から読み進めました。雄アリについて「細い体に大きな眼、長い触角を持ち、アリというよりはハチに近い姿をしている」という記述があったのですが、アリの眼の大きさ(というか眼そのもの)を意識したことが無いので、イマイチ想像できなかったのが残念です。ぜひ「ダーウィンがきた」でアリを取り上げて欲しいものです(もう取り上げ済みかもしれませんが)。
働きアリの中にも怠け者がいるとか、餌の栄養バランスが悪いと繁殖活動が低下するなど、アリのことが楽しく分かる(かつ研究者ならではの悩みも分かる)1冊で面白かったです。